コーチングとは簡単に言うと「相手の学びと成長を支援するスキル」であり「目標達成を支援するコミュニケーションスキル」です。
ビジネスからプライベート、マネジメント・教育・医療など、幅広く活用できる上に、コーチングの「基本スキル」と「関わりの基本原則」が、”モチベーションアップ” と互いの ”信頼関係構築” に有効に働くので、人間関係のストレスが激減します。
この記事では、コーチングの全体像を網羅的にご紹介しています。
さらに詳しい情報が必要な部分については、別の記事で詳しく解説しているので、合わせてご利用ください。
コーチングとは?その意味と価値
コーチングとは何か?定義
コーチングとは「相手の学びと成長を支援するスキル」であり「目標達成を支援するコミュニケーションスキル」です。
「分かっている・知っている・やりたい」けれども「できない・やれない」でいることを「できる・やれる」に変える、体系化された会話の技術です。
コーチは、クライアント(コーチされる人)と会話を交わしながら、目標達成に必要な ”スキル・知識・考え方・あり方” を、クライアントが身につけ、実際に行動を起こすことを支援します。
コーチングとは何か?始まりと歴史
コーチの語源はハンガリーの町コチ(Kocs、英語ではcoach)と言われています。
コチは15世紀に馬車の製造を始めた町です。コチで作られた馬車は、当時としては画期的なサスペンションが搭載されていて、とても乗り心地が良かったので、貴族の間で評判となり、コチ(kocs)と言うだけで馬車を意味するようになりました。
馬車が人やものを目的地に運ぶことから「Coach」という単語は「運ぶ」ことに関係する物や概念に対して使われるようになりました。
マネジメントの分野では 1950 年代、当時ハーバード大学助教授であったマイルズ・メイス(Myles Mace)氏が著書『The Growth and Development of Executives』(1959 年) の中で、「マネジメントにはコーチングが重要なスキルである」と紹介しています。
そして1974年に、テニスコーチだったティモシー・ガルウェイが著書「The Inner Game of Tennis」の中で「インナーゲーム理論」を発表します。
この本により、これまで行われてきた「命令・管理型レッスン」は、「生徒の内側の能力を信じ、自然習得・自然上達をサポートする指導法」、つまり今現在の「コーチング」が始まる転換点となりました。
コーチングが求められる時代背景
感染症の流行、多発する自然災害、不安定な社会情勢などで、先の見通しがたてにくい時代になっています。このような先行き不透明な時代に必要なのは、過去を参照して将来を考えるバックミラー思考ではなく、未来起点の「バックキャスト思考」です。
コーチングの会話は「バックキャスト思考」と同じ手順で進みます。
つまりコーチングは、先行き不透明で誰も答えを知らない時代に、うってつけの手法だと言えます。
コーチングのメリットデメリット
コーチングを行うメリット
- 問題解決能力が高まります。
- 信頼関係を築くスピードが格段に速まります。
- コミュニケーションのズレによる対人ストレスが激減します。
コーチングのデメリットと対処法
1対1コーチングは効率が悪い → グループコーチングで解決
1対1で行うコーチングは効率が悪く時間がかかりますが、グループコーチングを使えば、時間短縮ができたうえに、グループダイナミクスを活用して、チームのコミュニケーションを円滑にすることができます。
コーチングは万能ではない → 他の手法との組合せで解決
コーチングは万能ではありません。相手の知識レベルや仕事の習熟度、心理状態に合わせて、ティーチングや指示命令、リクエストなどと、うまく使い分けることで、効果を最大限にすることができます。
コーチングの活用場面
コーチングはありとあらゆる場面で活用することができます。
組織
人材育成・マネジメント・チームビルディング・モチベーションアップなどに使えます。
さらに、ボトムアップで行うと効果が上がる業務改善ではグループコーチングが活用できます。
教育
問題解決能力の育成、やる気と自発性を育てる、強みを伸ばす進路設計、などにかつようできます。
さらに、多様な価値観を持つ保護者との関わりは、先生方のストレスを激減します。
医療
上司部下間のマネジメント・人材育成スキルとして、チーム医療での多職種連携とチームモチベーション・チームビルディング、患者教育・療養指導・リハビリテーションなど、幅広く活用できます
士業専門職
ご自分の専門分野にプラスして、付加価値をつけることが可能です。いわゆるコーチ型コンサルティングと言われるやり方です。経営層への1対1コーチング、経営層と社員との橋渡し業務など、応用範囲は広いです。
キャリアアップ・セカンドキャリア
先行き不透明なVUCAの時代であると共に、人生100年時代・LIFE SHIFTの時代には、コーチングの思考パターン「バックキャスト思考」が必須です。コーチングを使って、明確なビジョンと多様な視点を持っておけば、何が起こっても柔軟に適応できるでしょう。
プライベート
家族や子どもとの関係改善、問題解決能力・セルフマネジメント力の向上に活用できます。
基盤が整うことで、変化を恐れなくなり、自己肯定感が高まるので、人生の分岐点でも自信をもって選択することができるようになります。
コーチングを学んだ体験談
ここで紹介した事例は、ヘルスコーチ・ジャパンの「コーチングスキル完全マスターコース」を受講した方々の体験談です。コーチングを丸ごと使うというよりも、その中の一部を使ったり、コーチング的に関わることで、様々な成果が出ています。
印象的だったのは、多様性を学ぶことで、自分の基盤が整い、対人ストレスが激減したという感想です。
初めはスキルだと思っていたが、単なる技術(スキル)ではなくて、自分の気持ちや自分自身が整う感じがして、カルチャーショックというか、思っていた以上のものという印象だった。
と語ってくれた方もいらっしゃいました。
部下との関係改善
部下とのコミュニケーションですれ違いが多く、僕はイライラ、部下も悶々としていたが、部下に合わせた関わりができるようになり、イライラが激減した。
反抗的な部下が話しをするようになり、仕事もしっかりとやるようになった
あまり感情を出さないので、上司からはとっつきにくいと思われ、部下とも距離感があった。コーチングを学んだ後は、部下の方から話しかけてくるようになった。仕事の話しも、通り一遍な話しではなく深く入りこんだところまで話してくれるようになった。
患者さんに対しても、上司部下の関係においても、相手の言葉に揺らがなくなった。以前はかんしゃく持ちで怒りやすいほうだったが、今では心が動じなくなった。
気に入らないことを言う部下や、自分の敵になりそうな人に対して、威圧的な態度をとったり敵意をあらわにしていたのが、気にならなくなった。部下からは、昔は怖かったけど今は話しかけやすくなったと言われる。
仕事を一生懸命しない人とか、ヘラヘラしている人に反応して、イライラしていたが、コーチングを学んだ後は、人それぞれだと受け入れられるようになり、反応しなくなった。その結果、対人ストレスが激減し、違いを楽しめるようになった。
チーム運営での活用
チームの目的を明確にする質問ができるようになり、チーム運営が楽になった。
毎日1時間、グループコーチングの手法を使ったチームミーティングを行うことで、メンバーが安心して自由に発言できるようになり、チーム内の情報交換がスムーズにやれている。
子どもとの関係改善
これまでは親の意見を一方的に押しつけていて、それに反抗する子どもにイライラしていたが、コーチングを学んだ後は、子どもには子どもの生き方があると思えるようになり、自分が楽になった。子どもも「今のお母さんの方が断然いい」と言ってくれる
セルフマネジメント力の向上
- 自分自身を俯瞰して見ることができるようになった
- 自分の考え方のクセや自分で自分につけている足かせに気づくことができた。
- 変化を恐れなくなった
- 正解にこだわらなくなりジャッジが少なくなった
- 自分を認められるようになった
- できなくても落ち込まなくなった
- 動じなくなった。
- 落ち込みからの回復が早くなった
- セルフマネジメントトレーニングは人生の分岐点に近いような感じがあった。
研修・講座の魅力アップ
ティーチングだけだと関心が持てないところを、グループコーチングの手法を使った双方向の講座ができるようになり「今日は集中できてとても楽しかった」というお声をたくさんいただくようになった。
セカンドキャリア設計・未来ビジョン
今までだったらわたしなんて無理、と諦めていたところを、やってみようと一歩を踏み出せた。自分の可能性が拡がった感じがする。
以前の僕だったら絶対やらないだろうことにチャレンジしている自分がいてびっくりしている。
未来に向かって歩いている人に寄り添うことが好きなことに気づいた。社会貢献型ビジネスの立ちあげに向かって地域のMBAに通い始めた
グループコーチングの手法を使った講座をやって、アハ体験をたくさん起こし、元気が出て頑張る気持ちになる人をたくさん増やしたいし、人が変わっていく姿に貢献したい。
コーチングの資格
コーチングの資格は、民間資格です。
大きく分けると、国内の団体やスクールが出しているものと、国際コーチング連盟が出しているものがあります。
国際コーチング連盟が出している資格(ACC・PCC・MCC)は、世界に通用する権威性が高い資格となります。
コーチング資格の種類とベストな選び方に関しては別記事で詳しく書いていますので合わせてご覧下さい
コーチングを効果的に学ぶ方法
コーチングを学ぶことは、語学学習やピアノやバレエの習得と似ています。
コーチングの構造という新しい文法に則って、普通の会話とは違う進み方をするので、それに慣れて使いこなせるようになるには、繰り返しの練習が必要なのです。
しかも、会話は生もので、相手のそのときの状態によって、関わり方が変わります。実際に日常の中で使うことが習得の早道です。
ポイントは継続と実践。そして、メンターコーチからの適切なフィードバックとそれに基づく修正。
いわゆる、経験学習モデルに基づく学びのPDCAサイクルを回すことが大事です。
さらに、使わないとすぐに忘れてしまうので、使い続けること・学び続けることも大事なポイントとなります。
さらに、「コーチとしてのあり方」も大事になるので、柔道・剣道・茶道などとも相通じるところがあります。
ヘルスコーチ・ジャパンが提供している「コーチングスキル完全マスターコース」は、国際コーチング資格が取得できる、ACSTHプログラムです。
プログラムの内容についての詳細は下記をご覧下さい