ICF(国際コーチング連盟)の資格とは、米国ケンタッキー州に拠点を置く世界最大級のコーチング団体 ICF(International Coaching Federation)が認定する資格のことです。ACC・PCC・MCCの3種類あり、この3つの資格を持っているコーチは、「ICFが定めた基準を満たすコーチングトレーニング」を受け、「ICFが定める基準を満たした高度なコーチングスキルを持ったコーチ」ということになります。
この記事では、ICF(国際コーチング連盟)のコーチング資格を取るメリット・費用・取得方法についてわかりやすく解説しています。
ICF(国際コーチング連盟)とは?
ICFとは、International Coaching Federationの略です。日本語では「国際コーチング連盟」と呼びます。
ICFは、1995年に、トーマス・レナードが設立した非営利団体です。設立の目的は「全てのコーチがお互いにサポートし、コーチという職業を成長させること」でした。
現在では150カ国以上にチャプターが拡がり、41,000人の会員を抱える、世界最大級のコーチング団体となっています。
ICFの歴史は下記からご覧になれます(英語サイトです)
ICFのコーチ資格とは
ICF(国際コーチング連盟)のコーチ資格とは、その資格を持っているコーチが「ICFの高い基準を満たすコーチの知識やスキルを持っていること」と「プロフェッショナルとして高い専門的水準を維持し、倫理規定を順守していること」を証明するものです。
なので、ICFのコーチ資格を持っているコーチは、継続的にコーチングの訓練を受けることと、卓越したコーチング力で、責任を持って仕事にあたることが要求されています。
ICFのコーチ資格を取るメリット
世界150カ国以上に広がり41,000人の会員を抱えるICF(国際コーチング連盟)の一員であることは、あなたのクライアント及び社会に対して、プロフェッショナルとしての信頼を証明することに繋がります。
ICF(国際コーチング連盟)のチャプター一覧Mapは下記でご覧になれます
ICF(国際コーチング連盟)が定期的に行っているグローバル・スタディによると下記のようなことがわかっています。
- 認定資格を持つコーチは、中東、アフリカを除く世界中で、非認定コーチに比べて、より高い収入を得ていた(ICFグローバル・コーチング・スタディ:2012年)
- ICF資格認定を持つコーチのクライアントは、コーチとの経験に満足し、他者にもコーチングを勧めることが多い。コーチングを経験した成人の84%が、コーチが資格を保持していることは重要であったと報告している(ICFグローバル顧客意識調査:2010年)
2020年のグローバルスタディは下記からご覧になれます
ICFのコーチ資格-取得にかかる費用と条件
ICF(国際コーチング連盟)が認定するコーチ資格は3種類あります。
- ACC:アソシエイト認定コーチ
- PCC:プロフェッショナル認定コーチ
- MCC:マスター認定コーチ
取得条件とレベル(難易度)は下記の図のとおりです。
費用は、ICF会員なのか、ACSTHパスなのか、ACTPパスなのか、ポートフォリオパスなのかによって変わってきます。
ACSTHパス・ACTPパスというのは、ICF(国際コーチング連盟)の認証を受けたプログラムを受講してその履修証明書を使って資格取得申請をするルートのことです。
ポートフォリオパスというのは、認証を受けていないプログラムを受講して資格取得申請をするルートのことです。
ACC | PCC | |||
ACTP Path | 会員100$ 非会員300$ | 会員300$ 非会員500$ | ||
ACTPの終了 8人以上100時間以上 | ACTPの終了 25人以上500時間以上 | |||
ACSTH Path | 会員300$ 非会員500$ | 会員575$ 非会員775$ | ||
60時間以上の受講 10時間のメンターコーチング 8人以上100時間以上 実技審査 | 125時間以上の受講 10時間のメンターコーチング 25人以上500時間以上 実技審査2セッション | |||
Portfolio Path | 会員400$ 非会員600$ | 会員675$ 非会員875$ | ||
60時間以上の受講と証明書類 10時間のメンターコーチング 8人以上100時間以上 実技審査 | 125時間以上の受講 10時間のメンターコーチング 25人以上500時間以上 実技審査2セッション |
MCC | |
費用 | 会員575$・非会員775$ |
専門トレーニング | 200時間 |
メンターコーチング | 10時間 |
実践ログ | 35名以上2,500時間以上 |
実技試験 | 2セッション |
申請料金については、ICFの日本チャプターである、ICFジャパンのHPに書いてありますので、合わせてご覧下さい
ICFのコーチ資格-取得までの流れ(2022年1月より大幅改定)
コーチングの教育プログラムを受講する
各資格取得に必要なトレーニングを受ける必要があります。
このとき、ICFの認証を受けたプログラム(ACSTH・ACTP→2023年1月以降はレベル1・レベル2に名称変更)を受けておいた方が申請が簡単になります。
理由は、認証を受けたプログラムであれば、プログラム履修完了と同時に、資格申請時に必要な証明書を発行してもらえるからです。
もしACSTH・ACTP以外のプログラムを受けた場合、ICFが決めた基準を満たすプログラムであることを、あなたが自分で証明しなければならない(もちろん全て英語の書面)ので、とても大変になります。
ICF(国際コーチング連盟)の資格取得を目指される場合は、ICFの認証を受けたプログラムで学ぶことを強くオススメします。
コーチングの実践をする
ACC取得のためには、8人以上のクライアントと100時間以上のコーチングセッションを行う必要があります。(100時間のうち75時間は有料)
以前は実施記録を提出していましたが、欧州の個人情報保護法が厳しくなってからは、提出は不要になりました。しかし、その代わりに、セッションの録音とその文字起こしログ(英訳する)を提出するようになっています。
ACCの合格基準を満たすコーチングができるようになるには、最低でも100時間はクライアント経験を積みなさい、ということなので、メンターコーチングを受けながら、スキルアップに励んでください。
ちなみに、各資格に求められる最小スキルは公表されています。下記からご覧になれます。
メンターコーチングを受ける
メンターコーチングとは、あなたが取得したい資格レベルのコーチングスキルを身につけることをテーマとしたコーチングのことで、最低3ヶ月以上行われる必要があると定められています。
ICFの認証プログラムの中には、ACC資格取得に必要な10時間のメンターコーチングまで含んでいるものがあります。
オンラインの筆記試験を受ける
資格取得申請の時に受ける筆記試験は、コーチ・ナレッジ・アセスメント(CKA)と言います。
ただしこの試験は、2022年8月以降は、新しい試験に変わりますのでご注意ください。
ICF(国際コーチング連盟)の認証を受けたプログラムとは何か?
ICF(国際コーチング連盟)が定める基準に則ったコーチング教育を行っていることが証明されたプログラムのことです。
これまでは、ACSTH・ACTPの2つの認証がありましたが、2022年1/7以降、下記のように名称が変更になり、認定の仕組みも変わります。
ACSTH → レベル1認定
少なくとも60時間の学習時間を提供する組織を対象とし、ACC資格へのパスウェイとして指定されています。
ACTP → レベル2認定
少なくとも125時間の学習時間を提供する組織が対象で、PCC資格へのパスウェイとして指定されています。
レベル3(新設)
全く新しいサービスで、少なくとも75時間の双方向の学習時間を提供する組織が対象で、MCCクレデンシャルへのパスウェイとして指定されています。
CCE(Continuing Coach Education)
継続コーチ教育(CCE)は今後も継続され、資格更新のための継続教育および専門能力開発を目的とします。
ICFのコーチ資格が取れるコーチングスクール
ICF(国際コーチング連盟)の認証を受けたプログラムを提供しているスクールは、ICFジャパンのHPで調べることができます。
ACTP / ACSTH / CCEプログラムの提供団体-ICFジャパン
筆者が運営しているNPO法人ヘルスコーチ・ジャパンは、ACSTH認証を受けていますが、今現在、レベル1認証への変更手続き中です。
ACSTHからレベル1への変更、ACTPからレベル2への変更は、2022年いっぱいかかる予定です。
ICF資格取得サポートを行っています
ヘルスコーチ・ジャパンでは、ICFの資格取得に関するサポートを行っています。詳しい情報は下記リンクからどうぞ